雲の中の散歩のように

Cinema letteratura musica どこまで遠くにゆけるのだろう

2024-01-01から1年間の記事一覧

ヴィスコンティ の「伝統と創造」あるいは『揺れる大地』(1948)のこと

昨日の3月30日、新宿の朝カルで『揺れる大地』のこと話してきました。まだ、前回話したアンナ・マニャーニのことも書き終わっていないのですが、備忘のため、こちらを少し書き記しておきます。ヴィスコンティの映画を一本ずつとりあげる「その映画の背景に…

3月9日横浜、朝カル「アンナ・マニャーニ:芸に生き、愛に生き」(2)

写真はアンナ・マニャーニ・アーカイブより 4)結婚、そして出産... アンナは1935年に結婚します。お相手は映画監督のゴッフレード・アレッサンドリーニ( (1904 – 1978)。出会いは少し前、アンナがアントニオ・ガンドゥシオ劇団で活躍しているころとのこ…

3月9日横浜、朝カル「アンナ・マニャーニ:芸に生き、愛に生き」(1)

先週の土曜日、横浜の朝日カルチャーセンターで話してきました。横浜では「イタリア映画の魅力を探る、懐かしの俳優たち」と題して、ジーナ・ロッロブリージダ、クラウディア・カルディナーレ、シルヴァーナ・マンガノと取り上げてきましたが、今回はその4…

カルロ・ルドヴィーコ・ブラガッリャ『人生は素晴らしい』(1943)短評

日本語版DVD。24-41。マニャーニ祭り。これは楽しい。堪能した。 実はタイトルだけは知っていた。ロベルト・ベニーニの『ライフ・イズ・ビューティフル』と同名があるという記事を読んだからだ。今回はアンナ・マニャーニを追いかけながらのキャッチアッ…

フェリーニ&ロータ(3):『カビリアの夜』と音楽の力

昨日朝カル立川で「イタリア映画を聴く」のシリーズとして「フェリーニとロータ(3)』を話してきました。ほんとうは『カビリアの夜』『甘い生活』そして『8½』の3本を話すつもりだったのです。でもね、いやいや、フェリーニ&ロータは奥が深い。結局はほ…

ナポリのカンツォーネ『レジネッラ(Reginella)』(1917)を訳してみた

アンナ・マニャーニの評伝を読んでいる。冒頭に引用されるのがこの『レジネッラ』の一節。マニャーニの祖母が好きだった曲。母に捨てられ、祖母に育てられたマニャーニは、しばしば祖母から請われてこの曲を歌ったという。 www.youtube.com マニャーニが生ま…

『Tempo massimo』(1934)短評:デ・シーカ&ミリー、そしてマニャーニ

イタリア版DVD。イタリア語字幕付き。24-39。マニャーニ祭り。これは面白かった。マニャーニの2作目。デビュー作『La cieca di Sorrento(ソレントの盲女)』と同じ時期だけど、マニャーニらしさが出ているのはこちら。 タイトルの「Tempo massimo」はス…

『La cieca di Sorrento(ソレントの盲女)』(1934)短評

マニャーニ祭り。イタリア版DVDの到着を待ちながら、デビュー作ということで辛抱たまらず、このサイトにて視聴。24-38。Filmaks のリストになし。1)原作者 F.マストリアーニ 1934年の作品でタイトルは「ソレントの盲女」。原作はフランチェスコ・マスト…

蘇ったフィルムたち:映画か、それとも動画か、はやり映画なのか!

昨日はイタリア文化会館の「蘇ったフィルムたち チネマ・リトロバート映画祭:特別上映・レセプション」に参加してきました。この映画祭は知る人ぞ知る映画祭で、ぼくも名前だけは聞いていたのですが、今回はめでたくも京橋の日本の国立映画アーカイブでその…