雲の中の散歩のように

Cinema letteratura musica どこまで遠くにゆけるのだろう

2024-01-01から1年間の記事一覧

EUフィルムデーズ・トークイベント、あるいはパオロ・ジェノヴェーゼのこと

27日の金曜日、渋谷のイメージフォーラムで『人生の最初の日』のことを話してきました。監督はパオロ・ジェノヴェーゼ。名前は知っていたのですが、監督作品はあまりみたことがなかったので、これ幸いとDVDも手に入れて、そのほかにもいろいろ見てみました。…

ジェノヴェーゼ『Tutta colpa di Freud』(2014)短評。

Ok。24-179。イタリア語音声で字幕なし(ロシア語らしきものがあったけど字幕なしと同じ)。ジェノヴェーゼ祭りのなかで出会った。これが一番好きかもしれない。ここには時間のトリックはなし。ジェノヴェーゼは基本喜劇の人だと思うのだけど、だんだんと深…

ゼフィレッリ『Camping』(1957)短評

24-172。ゼッフィレッリ祭り。イタリア語音声、スペイン語字幕。フランコ・ゼフィレッリの監督デビュー作。1957年イタリア公開、日本未公開。 1950年代末のロードムービー。ヴァカンス映画としてはルチャーノ・エンメルの『八月の日曜日』(1950)の延長線上…

アルジェント「動物3部作」のこと

なんという僥倖。こいつを3本まとめて暗闇で鑑賞できるなんて。 じつはパンフに短い原稿を寄せたので、この3本を見直しました。見直してみると、これがやっぱりすごいのですよ。いろいろ発見もあったし、時代もあるのだろうし、でもアルジェントがやっぱり…

エリオ・ペトリ『L'assassino』(1961)短評

YT。24-163。マストロヤンニ祭り。 大収穫。冒頭から引き込まれる。夜明けに帰って来る男(この男は夕方より明け方が好きなのだ)。車をメカニックに託すと階段を登り、部屋に入る。壁には高そうな絵画。ジャケットを脱ぐ。シャツはピンとしているし、ネクタ…

モニチェッリ『Il medico e lo stregone』(1957)短評

YT。24-161。マストロヤンニ祭り。 これはおもしろい。1957年の『Il medico e lo stregone』。監督はマリオ・モニチェッリ、音楽ニーノ・ロータ、原案はAge&Scarpelli のコンビ。タイトルは日本語で言えば「医者と呪術師」といったところ。 舞台は山の上にあ…

ガード・オズワルドの『Screaming Mimi』(1958):フェリーニとアルジェントへの扉

YT。24-156。 何年振りかのアルジェント祭り。わけあってこの映画を観る。原作がアルジェントのデビュー作『喜びの毒牙』(1970)と同じフレデリック・ブラウンの『通り魔』(The Screaming Mimi, 1958、創元推理文庫、 1963)。こちらはその最初の映画化。 …

ルノワール『荒れ地』(1929)短評

ジャン・ルノワール Blu-ray BOX I 、『どん底』/『荒れ地』。24-139。ルノワールによる冒険もの。画質はスタンダード。あまりよくない。 1830年のフランスによるアルジェリア征服から100年を記念する作品。『騎馬試合(Le tournoi dans la cité)』(1928…

アリーチェ&JRの短編2本

24-135。 今年のヴェネツィア映画祭(第81回)の非コンペ部門に出品されていた『ALLÉGORIE CITADINE』を見た。アリーチェ・ロルヴァケルと写真アーティストのJRの共作。次のサイトにアドレスを登録すれば観ることができる。 www.festivalscope.com タイトル…

備忘録:アリーチェ・ロルヴァケル

mubi.com アリーチェ・ロルヴァケルが気になっている。最初に見たのは『幸福なラザロ』だった。いい映画だと思った。試写で見たのだけど一緒に見たHさんは、なんだかよくわからない映画だったというので、ラザロは聖書に登場する人物の名前だよねと説明した…

L.トーヴォリ『Il generale dell'armata morta(死んだ軍隊の将軍)』(1983)短評

8月15日に観るのにふさわしい映画だった。将軍というのは、生きた軍隊を率いるものだが。しかし、戦地に没した兵士たちの遺骨収集のあたる将軍がいるとしたらどうだろうか。彼はいわば、死せる軍隊の将軍なのだ。生きた軍隊は、ひとたび戦争が怒れば、死せる…

モレッティ『Io sono un autarchico』(1976)短評

イタリア版DVD。イタリア語字幕付き。24-103。モレッティの長編デビュー作。スザンナ・ニッキャレッリによるドキュメンタリーとナンニ・モレッティへのインタビューが付録として収録されている。 興味深かったのはヴィットリオ・タヴィアーニへのインタビ…

ブラゼッティ『Tempi nostri - Zibaldone n.2』(1954)短評

イタリア版DVD。イタリア語字幕あり。24-98。 タイトルは「わたしたちの時代、雑記帳その2」。これは1952年の『懐かしの日々』の続編。このときのぼくのメモにこうある。 1950年台のイタリア映画では、ロッセリーニやデシーカらのネオレアリズムのインパク…

6月22日朝カル、ソフィア・ローレンのこと(1)

土曜日に横浜でソフィア・ローレンのことを話してきた。このところイタリアの女優さんたちを取りあげ、その人生と映画を振り返っている。ジーナ・ロッロブリージダから始まり、クラウディア・カルディナーレ、シルヴァーナ・マンガノ、そしてアンナ・マニャ…

Mario Monicelli 『La mortadella』(1971)短評。

某サイトにて。24-75。ローレン祭り。 監督はマリオ・モニチェッリ。ローレンとの仕事はこの作品が唯一。これ、抜群におもしろい。 タイトルの「La mortadella」は、有名なボローニャのハムのこと。物語はこのモルタデッラ・ハムをアメリカに持ち込もうとし…

マウロ・ボロンニーニ『Ci troviamo in Galleria』(1953)短評

YT. 24-89。ローレン祭り。未公開。 マウロ・ボロニーニの監督デビュー作で、タイトルは「Ci troviamo in Galleria (ガレリアで会おう)」。ガレリアとは、ローマの寄席芸人たちが集まる場所。芸人といっても、なかなか仕事にありつけず食うに困っている連…

マリオ・ボンナルド『Il feroce Saladino(残忍なサラディン)』(1937)短評

YouTube。24-80。順番が少し前後。修復版が全編がアップされているのだけど、最後の2分間はフィルムの喪失により音声のみ。 タイトルの「il feroce Saldino」は「残酷なサラディン(ペルシャの王)」の意味だが、実は1937年当時に流行したペルージャ社製の…

『Italiani, brava gente』(1964) 短評

YT. 24-71。備忘のため。 デ・シーカの『ひまわり』(1970)に先立つロシア戦線でのイタリア兵たちを描く作品。IMDbには1965年公開で「白い長い線(?)」という邦題があるのだけれど確認できず。またGoogle にイタリア語タイトルを入れると「イタリアの勇士…

『Il sangue dei vinti』短評、あるいは埋葬の権利

積読のイタリア版DVD。24-77。土曜日のヴィスコンティ・セミナーのために見た。ミケーレ・ソアーヴィはやっぱりすごい。 音声はイタリア語。イタリア語字幕が表示できなかった。ときどきあるのだけれど、耳の不自由な人のための字幕表示機能がないのは少…

ヴィスコンティ の「伝統と創造」あるいは『揺れる大地』(1948)のこと

昨日の3月30日、新宿の朝カルで『揺れる大地』のこと話してきました。まだ、前回話したアンナ・マニャーニのことも書き終わっていないのですが、備忘のため、こちらを少し書き記しておきます。ヴィスコンティの映画を一本ずつとりあげる「その映画の背景に…

3月9日横浜、朝カル「アンナ・マニャーニ:芸に生き、愛に生き」(2)

写真はアンナ・マニャーニ・アーカイブより 4)結婚、そして出産... アンナは1935年に結婚します。お相手は映画監督のゴッフレード・アレッサンドリーニ( (1904 – 1978)。出会いは少し前、アンナがアントニオ・ガンドゥシオ劇団で活躍しているころとのこ…

3月9日横浜、朝カル「アンナ・マニャーニ:芸に生き、愛に生き」(1)

先週の土曜日、横浜の朝日カルチャーセンターで話してきました。横浜では「イタリア映画の魅力を探る、懐かしの俳優たち」と題して、ジーナ・ロッロブリージダ、クラウディア・カルディナーレ、シルヴァーナ・マンガノと取り上げてきましたが、今回はその4…

カルロ・ルドヴィーコ・ブラガッリャ『人生は素晴らしい』(1943)短評

日本語版DVD。24-41。マニャーニ祭り。これは楽しい。堪能した。 実はタイトルだけは知っていた。ロベルト・ベニーニの『ライフ・イズ・ビューティフル』と同名があるという記事を読んだからだ。今回はアンナ・マニャーニを追いかけながらのキャッチアッ…

フェリーニ&ロータ(3):『カビリアの夜』と音楽の力

昨日朝カル立川で「イタリア映画を聴く」のシリーズとして「フェリーニとロータ(3)』を話してきました。ほんとうは『カビリアの夜』『甘い生活』そして『8½』の3本を話すつもりだったのです。でもね、いやいや、フェリーニ&ロータは奥が深い。結局はほ…

ナポリのカンツォーネ『レジネッラ(Reginella)』(1917)を訳してみた

アンナ・マニャーニの評伝を読んでいる。冒頭に引用されるのがこの『レジネッラ』の一節。マニャーニの祖母が好きだった曲。母に捨てられ、祖母に育てられたマニャーニは、しばしば祖母から請われてこの曲を歌ったという。 www.youtube.com マニャーニが生ま…

『Tempo massimo』(1934)短評:デ・シーカ&ミリー、そしてマニャーニ

イタリア版DVD。イタリア語字幕付き。24-39。マニャーニ祭り。これは面白かった。マニャーニの2作目。デビュー作『La cieca di Sorrento(ソレントの盲女)』と同じ時期だけど、マニャーニらしさが出ているのはこちら。 タイトルの「Tempo massimo」はス…

『La cieca di Sorrento(ソレントの盲女)』(1934)短評

マニャーニ祭り。イタリア版DVDの到着を待ちながら、デビュー作ということで辛抱たまらず、このサイトにて視聴。24-38。Filmaks のリストになし。1)原作者 F.マストリアーニ 1934年の作品でタイトルは「ソレントの盲女」。原作はフランチェスコ・マスト…

蘇ったフィルムたち:映画か、それとも動画か、はやり映画なのか!

昨日はイタリア文化会館の「蘇ったフィルムたち チネマ・リトロバート映画祭:特別上映・レセプション」に参加してきました。この映画祭は知る人ぞ知る映画祭で、ぼくも名前だけは聞いていたのですが、今回はめでたくも京橋の日本の国立映画アーカイブでその…