雲の中の散歩のように

Cinema letteratura musica どこまで遠くにゆけるのだろう

2025-01-01から1年間の記事一覧

ノガ・エレズ『ヴァンダリスト』を訳してみた

ノガ・エレズはずっと気になっていたシンガーソングライター。最初に知ったのはネトフリの『ハート・オブ・ストーン』(2023)の主題歌「Quiet」だ。なんとも特徴的な音を聴かせてくれるのでチェックしていた。 ぼくが映画を観たのは2023年の8月29日。ところ…

アントニオーニ、ヴィッティ、そしてドロン:『太陽はひとりぼっち』(1962)

アラン・ドロンとモニカ・ヴィッティの笑顔。『太陽はひとりぼっち』のワンシーンだけれど、この屈託のないふたりの太陽のような笑顔がエクリプス(日蝕)で消えてゆく。だからこそ、この輝きを移さなければならなかったのだろう。 さて、土曜のセミナーが終…

ロベルタ・トッレ『Mi fanno male i capelli』(2023)短評

RaiPlay. 25-117。 ロベルタ・トッレは大好きな監督さんなのだけれど、近ごろは少しご無沙汰していたところ、この映画が Rai で視聴可能なのを知り、朝から観入ってしまう。 タイトルの「Mi fanno male i capelli」はモニカ・ヴィッティがミケランジェロ・ア…

『Canzone dell'amore』(1930)短評

DVD(Ripley's home video)。25-113。イタリア語、英語字幕。このDVDにはイタリア語字幕の選択がない。残念。 ジェンナーロ・リゲッリの『Canzone dell'amore(愛の歌)』は1930年に公開されたイタリア初のトーキー。まずはムッソリーニを前に試写を行い、…

『アヨツィナパの43人』短評

ネトフリ。25-100。『アヨツィナパの43人』を観た。メキシコで起こった失踪事件を描いたアルゼンチンのドキュメンタリー。原題は「Los días de Ayotzinapa」(アヨツィナパの日々)。 www.youtube.com ぼくがこのドキュメンタリーに関心を持ったのは、2020…

パストローネの『カビリア』(1914):『炎の交響曲』(イルデブランド・ピッツェッティ)に字幕をつけてみた

今日の授業で使った映像をアップしておきます。パストローネによるイタリア史劇の傑作『カビリア』(1914)から、こどもたちがモロク神の生贄となるシーンに字幕をつけたものです。映画については数年前に書いた記事があります。そちらをご覧ください。 hgkm…

自由を歌う2曲のカンツォーネ:A bocca chiusa (Daniele Silvestri) と La libertà (Giorgio Gaber)

ヨーロッパ文化論という授業でイタリア映画のことを話している。先日は6月2日の共和国記念日を紹介しながらパオラ・コルテッレージの『ドマーニ!愛のことづて』(2023)を紹介した。紹介しながらの発見がダニエーレ・シルヴェストリ(Daniele Silvestri, R…

イタリア映画祭2025、備忘録

今年のイタリア映画祭は文化会館の前夜祭(4/30)から。上映されたのはパオロ・ジェノヴェーゼの『狂おしいマインド (FolleMente)』。ぼくは監督へのインタビューを頼まれたので3回ほど観て質問を作りをしたのだけれど、楽しかった。見るほどに発見があった…

P.ジェノヴェーゼ&L.ミニエーロ『Incantesimo napoletano』(1999)短評。

イタリア版DVD。25-54。パオロ・ジェノヴェーゼとルーカ・ミニエーロのデビュー作。タイトルを訳せば「ナポリの呪縛」というところか。incantesimo は「魅力」ということでもあるけれど、同時に、その魅力に囚われてしまうことでもあるわけだ。 映画は最高に…

ウベルト・パゾリーニは映画を通して世界を見ようとする

今日は彩の国さいたま芸術劇場映像ホールにて、ウベルト・パゾリーニ監督による『いつかの君にもわかること』の上映後セミナーをやってきました。ぼくが映画を語るときはイタリアがフィールドですが、この映画の舞台は北アイルランドのベルファスト。主演は…

エットレ・スコラ『La congiuntura』(1964)短評

DM。 25-42。イタリア語版。字幕なし。エットレ・スコラ祭り。 スコラの長編第2作目。デビュー作の『もしお許し願えれば女について話しましょう』(1964年)がヒットしたからだろう。気心の知れたガズマンを主役に、相手役にはアメリカからショーン・コリン…

アラン・ドロンと『若者のすべて』

昨日(2025.2.26.)は文京区シビックセンターでの映画上映会とトークショー。ご覧のように「アラン・ドロンを偲び」というお題をいただいたので、ヴィスコンティの『若者のすべて』とアラン・ドロンのことをお話ししてきました。 文京区シビックセンターの小…

サンレモ2025:ルーチョ・コルシの『タフになりたかった』

www.youtube.com 今年のサンレモの収穫はルーチョ・コルシ。準優勝だったけどぼくは気に入った。なんだかヒョロっとしたモヤシっ子なんだけど、その目には光るものがある。俳優でいえば『ドッグマン』のマルチェッロ・フォンテみたいな光。ギターを持って歌…