雲の中の散歩のように

Cinema letteratura musica どこまで遠くにゆけるのだろう

2021-01-01から1年間の記事一覧

キング・クリムゾン「Music is our friend」 東京国際フォーラムAホール2日目、11/28(日曜日)、短評

二日目。昨日買えなかったパーカーを買う。ホンジュラス製。サイズピッタリ。7500円は安くはないけど大満足。うえの娘も、インターミッションのときに自分用のTシャツを買いに走る。最初は買わなくてもよいとか言っていたんだけど、前半のプレイをみて震え…

キング・クリムゾン「Music is our friend」 東京国際フォーラムAホール初日、11/27(土曜日)、短評

グッズを買うために15時すぎに到着。すでに長蛇の列。カードを使えると書いてあったのに、カウンターには読み取り端末が2つしかなくて、長蛇の列。現金のほうは比較的スムーズ。欲しかったパーカーはサイズが売り切れ。 コンサートは定刻にはじまる。オー…

アルトゥロ・ウイの興隆、あるいはビッチはまだ発情中...

今日、2021年11月21日、神奈川で『アルトゥーロ・ウイの興隆』の舞台を見てきた。 このブレヒトの芝居を見たかったのは、ひとえにサム・ペキンパーの『戦争のはらわた』(1977)に、この芝居のセリフが引用されていることを知っていたからだ。それはこんなセ…

親父とお袋、それから介護と虐待の向こう側へ

ある作家とある評論家のツイッターでやりとりが目に入りました。「ケア」のなかに「虐待」を読み取った評論家に、作家が「虐待」とは書いていないと反論する構図のようでした。このおふたりは、冷静にやりとりをされ、互いに落とし所を探しておられた。ツイ…

カンニングとゲイ・サイエンス

こんな記事を読んだ。少しイラっとしてしまった。そんなのはわかっている。問題はそこじゃない。そう思ったのだ。 www.bengo4.com Web テスト代行が問題なのではない。教育機関はこれからも DX (digital transformation)を進めてゆくだろうし、ICT(Informat…

『EAZY SLEAZY』( Mick Jagger with Dave Grohl)を訳してみた

www.youtube.com いろいろな声が聞こえてくる。 クラプトンがワクチンを打ってひどい目にあったから、ワクチン証明書を必要とするコンサートには出演しないと表明したり、これにたいしてブライアン・メイが彼の音楽はすてきだけど、人間としてはフルーツケイ…

エンニオ・モリコーネ、あるいは「映画のための音楽」

土曜日、カルチャーセンターでモリコーネと映画音楽のことを話してきた。マエストロは2020年の7月6日に逝去されたので、もうすぐ一周忌。そんなタイミングでのセミナーだった。 ところでぼくは、音楽については、はっきりいってアマチュア。大好きだからア…

光と硝酸銀と亡霊たち

日伊協会で『イタリア映画の夜明け』と題したセミナーの第一回を終えた。知っていることを話すセミナーじゃなくて、ぼくの知りたいことを話すセミナーだ。知りたいことを話すためには、知りたいことを調べなければならない。だから調べてみたいとして「イタ…

偶然よありがとう。泣けるぜ、スージーQ!

音楽との出会いはほんとうに偶然。G.Love & special sauce はCDショップで聞いたスネアの響きで、ピンク・フロイドはヒプノシスの奇妙な牛、そしてわがスージー・クワトロはもちろんジャケットのジャンプスーツ姿が大きかったにしても、ラジオから流れてきた…

追悼バッティアート、"La cura" (1996) を訳してみた

フランコ・バッティアートが逝ってしまった。享年76歳。病気だったと公言していたけど、なんの病気かはわからない。だから誰もがその死を予感していながら、生きている姿があたりまえだと思っていた。どこか樹木希林を思わせる飄々とした覚悟、もしかしたら…

ネコと絶対音感と人類学的マシン

www6.nhk.or.jp 今朝テレビつけたら養老孟司さんが話していた。 「人間と違って動物は言葉をもたない。なぜか。すべての動物は絶対音感なんです。みなさんが例外なんです。私が「ネコ」というのと、司会者の女性が「ネコ」というのと、音の高さが違う。違う…

"La storia" (Francesco De Gregori, 1985)を訳してみた

イタリアの4月25日は「解放記念日」。人気司会者ファビオ・ファツィオの番組「Che tempo che fa」では番組のなかで「感謝を口にする勇気」というビデオを作成して放送した。 "Il coraggio di dire grazie"Durante lo speciale sul #25aprile di @fabfazio de…

「剥き出しの生とワクチン」... 訳してみた

アガンベンの『私たちはどこにいるのか?』のことはすでに紹介した。そこでのエッセイはすべて、Quodlibet 社のサイトに掲載されたもので、その最後の章「恐怖とはなにか?」(2020/7/13)の後も、アガンベンは執筆を続けている。最新版のエッセイが、今月の…

ヌメラシー、低くあること、応答可能性、そして世界に参加すること

4/25 TWで評判がよかったので、近所の書店で注文。届いてすぐにページをめくる。おもしろい。指で数字を操ながら数的理解に到達するに、どうやら人は痛みを伴う跳躍をしなければならないようだ。 森田さんは記している。「生来の認知能力に介入し、それを意…

宗教となった医療、あるいは、恐怖から逃れるために希望を捨てること

あらら、帯に問題になっている歴史学者さんの名前が... でも、内容は面白かったです。 体長100メートルのゴジラと、1メートルのジャガーという比喩はなんだかピンときました。アジアにやってきたのはもちろんジャガーのほうです。それでも街中で野放しにな…

アガンベンの『私たちはどこにいるのか? —— 政治としてのエピデミック』をめぐって

ジョルジョ・アガンベン 『私たちはどこにいるのか? —政治としてのエピデミック』 高桑和巳訳(青土社、2021年) 4月5日に購入。 こんなにすらすらと読めるアガンベンがあっただろうか。しかも、読み始めたら目から鱗がボロボロと落ちてゆく。「私たちはど…

「Ignorante」をめぐって

共同通信によると、テニスの大坂なおみさんが、2月6日にメルボルンで記者会見し、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言について「いいことではないし、その背景を知りたい。情報不足で少し無知な発言」と述べたという。この日本語…