雲の中の散歩のように

Cinema letteratura musica どこまで遠くにゆけるのだろう

2016-01-01から1年間の記事一覧

憲法改正国民投票の敗北を受けてマッテオ・レンツィの演説(ちょっと訳してみた)

国民投票での敗北を受け、レンツィ首相が辞任しました。ちょっとした驚きです。ほんとうに辞任するかどうか、みんな半信半疑だったわけですが、ある意味で潔く身を引いたわけです。 これからどうなるのか。ヨーロッパの先行きが見えなくなってきたわけですが…

「共和制 Republic 」と「低脳 Moron」 をめぐって

Facebook に投稿されていた記事だけど、ちょっと気になったので、それについて書いてみる。 ultimateclassicrock.com 上の記事は「ブルース・スプリングスティーンはドナルド・トランプを低脳だと思っている」というタイトル。 ちらっと読んで気になったのは…

パオロ・コンテの Chiamami adesso を訳してみた

FBで大好きなパオロ・コンテの歌詞の一節が流れてきた。知っている歌の一節だったから、すぐに頭のなかであのしわがれ声が響いた。それで、どういうわけか思ったんだ。あっ、これは今、この僕に向けられた言葉なのかもしれないってね。そのイタリア語がこれ…

ダッカ・テロ事件についてイタリア大統領のコメント(日本語訳)

ダッカのテロ事件を受けて、メキシコシティを訪れていたイタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領の緊急コメントです。こういうときのコメントは大変難しいのですが、大統領は落ち着いた話しぶりで、言葉を選んでいると思います。イタリア語の勉強もかねて、…

まだ読んでいないメルロ=ポンティと映画についての覚書

映画は今はまだ冒頭から終わりまで藝術であるような作品をそれほど多く提供しておりません。人気俳優に対する熱狂や、ショットの変化によるセンセーショナルな効果、あるいは筋の急転、美しいシーンの挿入または気の利いた対話の挿入それぞれが、みな映画に…

英国のEU離脱をめぐる R. Saviano の記事を訳してみた

英国のEU離脱をめぐって、いろいろな人がいろいろなことを言っている。ぼくの周りでも、、悲しんだり怒ったりする人がいるし、なんとか結果を受け止めようと考えている人もいる。かとおもえば、中東の事情を考えれば、国境線が変わるなんてあたりまえで、…

ヴィスコンティ『Cadaveri』(1941)を訳してみた

今年の朝日カルチャーセンター(横浜)のイタリア映画講座は、ルキノ・ヴィスコンティについて話している。昨日はその第2回目だったのだけど、いつもにまして多くの受講者がこられてうれしい限り。さすがにフェリーニよりも人気がありますねと言われると、…

ベルギーのテロをめぐって:ジグムント・バウマンへのインタビュー

ヴェネツィアの友人がFBに投稿していた記事が興味深い。イタリアのコッリエーレ・デッラ・セーラ紙のサイトに掲載されたインタビューなのだが、そのページがこれ。 www.corriere.it インタビューに答えているのはジグムント・バウマン(Zygmunt Bauman、1925…

D. Gilmour の In Any Tongue を訳してみた

デヴィッド・ギルモアは、疑いもなく、ぼくらの時代の偉大なソングライターのひとりだ。もちろん偉大なギタリストでもあるけれど、言葉をメロディーに乗せる才能に関しては、誰よりも抜きん出たセンスを持っているのではないだろうか。 もちろんギルモア自身…

祝、エンニオ・モリコーネ。初のオスカー獲得!

エンニオ・モリコーネがついにオスカー受賞した。 2007年にはすでに功労賞をもらっている。ふつうなら功労賞はキャリアの最後にもらうもの。ところがモリコーネは「これが出発点だよ」とコメントしていた。そして、今、おん年87歳にして、新作をもっての堂々…

Blackstar (D.Bowie) を訳してみた

www.youtube.com 前記事にも書いたけど、このところボウイの『ブラックスター』をずっと聴いている。 音楽的な部分では、かなりフリージャズのテイストが効いていて、ロックンロールというよりはエレクトロニカとジャズが融合したような音が実に印象的。実際…

"Wake up" (Arcade Fire) を訳してみた

新しい年になってデヴィッド・ボウイの訃報が飛び込んできた。ニューアルバム『ブラックスター』が出たことは知っていたけれど、それがこの稀有なポップスターによる遺言だったというのは、彼が亡くなってから明らかになったことだ。 そのタイトル曲「ブラッ…