2019-01-01から1年間の記事一覧
先日、早稲田大学で「映画で開くイタリア」と題して90分話してきた。最初は漠然とイタリア映画とその背後にある歴史や文化の話をしようと思っていた。リソルジメントとかレジスタンスとか、言葉を学ぶ学生たちが知っておいた方がよい話題を、あれやこれやの…
この歌は前から知っていた。一度聞いたら耳にこびりつくベースライン。ダッラの独特でここちよい歌声、軽やかなイタリア語の響き。 けれども、その意味を考えたことがなかった。なんだか海が深いとか歌ってるなと思ってはいたけれど、きっかけがなかったのだ…
のんびりした日曜日、風呂から上がってさあ寝ようというとき、FBの投稿でふと目に飛び込んできたパゾリーニの詩。冒頭の「1日中修道士のように働いて、夜は野良猫のように彷徨って愛をもとめる」という部分にハッとしてしまう。 ここにはパゾリーニその人…
Twitterにこんな記事が流れて来た。 「私はベア(トリーチェ)のために何だったてやった。」「まずは『新生』を書いた。」「それから『神曲』」「しまいには、天国にいれってやったんだ」「それで、彼女は何してくれたって?」「他人に挨拶しただけだ!」 ht…
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52550690U9A121C1ACYZ00/ 今朝、教皇フランシスコが長崎を訪問したニュースを見る。アルゼンチン生まれの教皇の母語スペイン語で、核廃絶を訴えた。 長崎は雨、雨がっぱの参列者。気になったのはその場所。あの平和公…
11月2日に朝カル横浜で「ベルナルド・ベルトルッチとは誰だったのか」というお話をしてきました。 この日は奇しくも、ルキノ・ヴィスコンティの誕生日なのですが、本人はこの日付を不吉なものと感じていたらしい。というのも、11月2日はイタリアで「死者の日…
以下に、土曜日のセミナーについて備忘のためツイートしたものまとめておきますね。 * * * 土曜日の立川のセミナーには大勢のみなさんに来ていただいて有り難かった。ただ、準備不足というか、準備を始めると次々とネタが出てきて収拾つかず。南イタリア…
5年前、この曲をスタジオでやろうということになったときだ。ぼくはイントロのドラムリフに手こずって、こんな記事を書いている。 hgkmsn.hatenablog.com まあ、この記事では複雑なことを書いているけれど、それからぼくはこんなカウントを思いついた。12…
この曲には個人的な思い出がある。 イタリア語を習い始めの頃だ。ローマから来た留学生に『Azzurro』が入ったアルバムをプレゼントしてもらった。自分はそんなに好きじゃない。そういいながら彼女は、でもイタリア語やるなら持っておいてよいと思う。たしか…
まずはこんなツイートから。 先週「andare(仏語allerでもよい)を活用するとなんでvが入るんですか?」今週「動詞の不規則活用は、1,2,3人称単数(io, tu, lui/lei)と3人称複数(loro)に多いのはなんでですか?」初級文法ゆえの難題をぶつけられた。 — Ko…
ずっと疑問だったことがひとつ解消した。加藤典洋の『9条入門』を読んでいて、イタリアの憲法の「戦争放棄」という部分に言及した箇所を読んで、ぼくは、ああそういうことだったのかと膝をうった。「同じ敗戦国であるドイツとイタリアの憲法にはあった《相…
来週の26日にザ・クランベリーズの最後のアルバム『イン・ジ・エンド』が発売になる。ドローレスが亡くなったのは昨年のはじめ(2018年1月15日)。英語版の Wikipedia によると、このアルバムに収録されている彼女の歌声は、2017年の3月ごろから書かれ、少し…
ドイツ語版のDVDが届いたので、タヴィアーニ兄弟の「Il prato (草原)」(1979)を見る。『パードレ・パドローネ』の成功に続く野心作、日本未公開。音声はドイツ語かイタリア語が選択できるので、イタリア語で鑑賞。 主演は『パードレ・パドローネ』のサヴ…
ここのところタヴィアーニ兄弟の映画をずっと見てきました。そろそろ、まとめにかからないといけないのだけれど、そのまえに、メモを整理しておこうと思います。 1)まずはデビュー作ね。これは最初、フィルマークスにタイトルがなかったんだけど、なぜかイ…
サンレモ 2019 の準優勝曲を訳してみた。最近のポップスはほとんど知らないからウルティモ(Ultimo)って最初は曲名だと思ったのだけど芸名なんだね。本名はニッコロー・モリコーニ、1996年のローマ生まれというから、おいおい、ほとんどうちの娘たちと同年…
今朝のニュースで、サンレモ音楽祭 2019 の優勝曲が "Soldi"だと知る。歌ったのは Alassandro Mahmood (YTの映像を見ると「マムッド」と呼ばれているようだ)で、歌詞は自作とのこと。イタリア版ウィキペディアによれば、母親はサルディニアの人で父親はエ…
Il Phersu, Tomba degli Auguri, Necropoli dei Monterozzi, Tarquinia (Wikipedia it.) きっかけはこんなツイートだ。 経験上、言葉が変わると人格は変わる。 https://t.co/SV8wb9zddG — 押場靖志 (@yasujioshiba) February 4, 2019 「言語は思考そのもの」…
2019/1/22@早稲田大隈講堂 映画が産声を上げるところ。そんな場所があるとすれば、たとえば昨日の大隈講堂の上映会もそのひとつなのかもしれない。以下、備忘のために。1本目は『ふたたま』: 冒頭こそ逃してしまったけれど、ぼくには安部公房の短編と思え…