読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

雲の中の散歩のように

Cinema letteratura musica どこまで遠くにゆけるのだろう

ウー・ドゥエあるいはU2のポップな反戦歌

 イタリアの友人がやってるネルドブラザーズ Neldo brothers が、U2の「ニューイヤーズデイ」のカヴァーを YouTube にアップした。

http://www.youtube.com/watch?v=-l2P4a2s4OY

 

 イタリア語では〈ウー・ドゥエ〉と発音されるU2のこの曲は、1983年の『WAR 』に収録されている初期の楽曲で、その歌詞はなかなかタフな反戦歌。ネルドのヴァージョンは楽しげなダンスヴァージョンだけど、そのアップテンポのダンスミュージックにタフな歌詞がじつにマッチしてる。

 このミスマッチは、例えば、ミリタリーファッションを思わせる。かわいらしい女の子たちが、戦争の道具をファッションアイテムにしてしまうのは、生真面目な軍人さん(そんな人がいるとしたらの話だけど)にとってはきっと、「神聖な軍服に対する冒涜だ!」なんてことになるのだろう。こういうものを、きっとイタリアの哲学者 G. アガンベンなら「瀆神行為 profanare 」と呼ぶのだ。

 この「瀆神」の最前線にあるのがポップカルチャーだと思う。そこではスピードを緩めると、たちまちマーケットに取り込まれてしまうことになる。たとえばこのU2の初期の曲だって、そのままにしておけばマーケット化された神話となり、その瀆神性を失ってしまうのだ。同じようなことは、ピンク・フロイドにも(たぶんキング・クリムゾンやレッドツェッペリンにも)起った。彼らは神話となり、ビッグビジネスに取り込まれてしまった。けれども、力のあるバンドは、その神話をさらに「瀆神」する力を持ち続ける。ピンクフロイドの「Wish you were here 」や「Animals」は、そういうアルバムなのだろうし、U2の「Pop」もそんな文脈で捉え返す必要があるのだろう。

 なんだか刺激されたので歌詞を訳してみた。参考になったのは中川五郎さんの日本語訳( http://chiiko.cocolog-nifty.com/chiiko/2005/01/nea_years_day.html)。

 U2のオリジナルと英語歌詞はこれ:


U2-New Year's Day(with lyrics).wmv - YouTube
 

すべてが静寂につつまれるニューイヤーデイ

白い世界が動き出す

お前と一緒にいたいんだ

夜も昼も お前といたいんだ

何も変わらないニューイヤーデイ

このニューイヤーデイ

 

お前と また一緒になるんだ

お前と また一緒になるんだ

 

ブラッドの赤の染まった空の下で

集まった一団の姿がモノクロに浮かび上がる

互いに腕を組んだ少数の選ばれし者たち

ニュースペーパーが繰り返し告げてる

本当だ 本当のことなんだと

だから僕らにはブレークスルーできる

たとえ二つに引き裂かれていても

僕らはひとつなれるんだ

 

もう一度やり直すんだ

もう一度やり直すんだ

 

ああ

きっと時は満ちた

きっとそれは今夜

 

お前と また一緒になるんだ

お前と また一緒になるんだ

 

今はゴールデン・エイジだと言われてる

そのゴールドのため僕らは戦争をしてる

お前と一緒にいたいのに

夜も昼も お前といたいのに

なにも変わらない

このニューイヤーデイ

 

War

War

涜神

涜神

Animals

Animals

Wish You Were Here

Wish You Were Here

Pop

Pop