あけましておめでとうございます。
お雑煮つくって、おせちを食べて、おとそを飲んで、初詣に行って帰ってきたら、新年早々に、飛び込んできたのがブライアン・イーノのこのツイート。これ、ぼくの大好きなアルバムなのです。
Robert Fripp: You Burn Me Up I’m A Cigarette - from 1979’s Exposure; vocals by Daryl Hall https://t.co/br5QaWGUDg
— Brian Eno (@dark_shark) 2018年1月1日
『エクスポージャー』って、大好きなアルバムなんですけど、これを作ったころのフリップは、たしかニューヨークのポップシーンでブロンディやダリル・ホールみたいなポップアーティストと仕事をしていたんですよね。だから、そんなころに彼は「ひとつの表現手段としてのポップソング」を探求することを思いついたらしいのです。
ポップソングについてフリップは、「ディシプリン」(規律)というなんだか正反対の言葉を使って、こんなふうに説明しています。
「ぼくには3分から4分の間に、失われたエモーションの数々を集め、一音節かそれにも満たない言葉を見つけるのって、崇高なディシプリンだと思うんだ。ひとつの形式のディプリンなんだけど、決して安っぽく粗悪なものなんかではないんだよね」。
"I think it's a supreme discipline to know that you have three to four minutes to get together all your lost emotions and find words of one syllable or less to put forward all your ideas. It's a discipline of form that I don't think is cheap or shoddy"
(Robert Fripp) *1
いやはや、ポップソングのディシプリンなんてと思っていたら、1981年にまさにそのものずばり『ディシプリン』というアルバムが出てくるわけなのです。そこのころはまだレコードプレイヤーでしたから、文字通りアルバムに針を落とすわけですが、その瞬間の衝撃は忘れられません...
いずれにせよ、1980年代のキングクリムゾンの復活を準備したのが、この『エクスポージャー』というわけなのですが、このアルバムに参加していたブライアン・イーノがツイートしてくれた『You burn me up I'm a sigarette 』という曲、そんなポップとディシプリンの関係を考えながら聞くと、これがなかなかすごい。 今回は、初めてまともに歌詞を読んでみたのですけど、これもまたすごい。ポップなんだけど、いやはや、なるほどディシプリンというわけだ、なんて思いながら、以下に訳出してみることにしました。
ではどうぞ。
You burn me up I'm a cigarette
You hold my hand I begin to sweat
You make me nervous
Ooh I'm nervous
It must be real bad karma
For this to be my dharma
With you
あなたに火をつけられる ぼくはシガレット
手を取られると汗をかいちゃう
緊張しちゃうのさ
ほんと緊張する
きっとすっごく悪いカルマにちがいない
そうなるのがぼくのダルマなんだろうな
あなたとね
You burn me up I'm a cigaretteMy life with you is a losing bet
You make me crazy
Ooh, ooh I'm going crazy
Your therapeutic antics
Well they really make me frantic
With you
あなたに火をつけられる ぼくはシガレット
あなたといるのは 負けの決まった勝負
気も狂いそうだよ
そうさ、気が狂いはじめてる
そのおふざけは治療的なんだけど
おかげでぼくはほんとに大変
あなたとね
Strategic interaction irreducible fraction
Terminal inaction and a bitter hostile faction
I'm getting anxious
I'm franxious
Transactional diseases are the only thing that pleases
We
戦略的な相互作用のインターアクション
もう割り切れない分数のフラクション
末期の不活性のインアクション
ちょっぴり敵対的な党争のファクション
ちょっと不安になってきた
ぼく不安で壊れそう
アクションのやりとりで病気になるくらいじゃないと
嬉しくないのさ
ぼくらはね
You burn me up I'm a cigarette
Demanding my attention which you're not gonna get
What did the sage mean?
What had the sage seen?
Musical elation is my only consolation
Oh yeah
あなたに火をつけられる ぼくはシガレット
ぼくの注意をひこうとしても そいつは無理って話
聖人はなにを言いたかったのか?
聖人はなにが分かっていたのか?
音楽で高揚する(エレイション)のが
ぼくの唯一の慰安(コンソレイション)なんだ
オー・イエー
Shivapuri Baba: Think of God alone, dismiss every thought from your mind and you will see God
シバプリ・バーバ *2 曰く、
神のことだけを想え、精神からすべての思念を払えば神が見えてくる
You burn me up I'm about to ignite
When you tell me you love me I give up this fight
I'm feeling put down
My feelings shut down
I want rejuvenation from my male emancipation
あなたに火をつけられる ぼくはシガレット
愛していると言ってくれたらこんな戦いはやめるさ
着地(プットダウン)する感覚さ
感覚がシャットダウンするのさ
欲しいのは若がりさ
男性として解放されるたいんだよ
Strategic interaction
Terminal inaction
A bitter hostile faction
Irreducible fraction
Transactional diseases are the only thing that pleases
We
戦略的な相互作用のインターアクション
もう割り切れない分数のフラクション
末期の不活性のインアクション
ちょっぴり敵対的な党争のファクション
ちょっと不安になってきた
ぼく不安で壊れそう
アクションのやりとりで病気になるくらいじゃないと
嬉しくないのさ
ぼくらはね
Burn burn
Burn burn burn
You burn me up
燃やして
燃やして
あなたに火をつけられる
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