雲の中の散歩のように

Cinema letteratura musica どこまで遠くにゆけるのだろう

Pensiero stupendo

 ムジカヴィータ・イタリア 1号 (Musicavita Italia) 2013年3月号 

 

新しくできたイタリアポップスの専門誌に映画のコラムを書きました。
 
フェルザン・オズペテクの『明日のパスタはアルデンテ』を取りあげ、そのなかで歌われるパティ・プラーヴォの Pensiero stupendo という曲が映画のなかのシーンと見事にシンクロしているというような話です。
 
じつはこの映画とこの曲、学習院のイタリア語中級の授業で取り上げたものでもあります。その内容は、1978年の発表当時としてはもちろん今でも少しきわどいものなのですが、学生の皆さんは楽しそうに参加してくれました。それはようするに恋のトライアングル。歌い手の「わたし=パティ」が、その彼氏との間に現れた女性に、あろうことか思いがけない気持ちを抱いてしまうという内容。ようするに同性愛のめざめを歌う詩になっているわけです。
 
詳しくは雑誌を見てもらうことにして、ここではその歌詞とぼくの翻訳、それと YouTube の映像をどうぞ。
 
Pensiero stupendo 
 
E tu  / E noi / E lei /  Fra noi
Vorrei / Non so /  Che lei /  O no
Le mani / Le sue
Pensiero stupendo
Nasce un poco strisciando
Si potrebbe trattare di bisogno d'amore
Meglio non dire
 

あなたと ふたり あの女(ひと)が そこに

わたしの想い 何かしら 彼女のこと でもだめ
その手 彼女の手
はっとする気持ち
忍び寄るように湧いてくる
求めるものが愛であれ
言わぬが花よね
 
E tu / E noi / E lei / Fra noi
Vorrei / Vorrei / E lei adesso sa che vorrei
Le mani le sue
O prima o poi
Poteva accadere sai
Si può scivolare se così si può dire
questioni di cuore.
 
あなたと ふたり あの女が そこに
わたしの想い それはああ もう彼女にもわかってる この想い
その手 彼女の手
いつかいずれ
起こっていたはず
もう堕ちていいのかも それをもし
心が決めるというのなら
 
Pensiero stupendo
Nasce un poco strisciando
Si potrebbe trattare di bisogno d'amore
Meglio non dire
 
はっとする気持ち
忍び寄るように湧いてくる
求めるものが愛であれ
言わぬが花よね
 
E tu / E noi / E lei / Fra noi
Vorrei  / Vorrei / E lei adesso sa che vorrei
Le Mani le sue
E poi un' altra volta noi due
Vorrei per amore o per ridere
Dipende da me
 
あなたと ふたり あの女が そこに
わたしの想い ああそれは もう彼女にもわかってる この想い
その手 彼女の手
やがてまた わたしたちふたり
この想い 愛がほしい それとも冗談
わたし次第よね
 
E tu ancora / E noi ancora / E lei un' altra volta fra noi
Le mani, questa volta sei tu e lei 
E lei a poco a poco di più, di più
Vicini per questione di cuore
Se così si può dire, dirò
 
またあなた またふたり あの女が またそこに
その手 今度はあなたと彼女
あの女は 少しずつ さらにもっと
寄り添うのは 心が決めるから
そうだとすれば そういうこと
 
E tu ancora / E noi ancora / E lei un' altra volta fra noi
Fra noi fra noi.
Pensiero stupendo
Nasce un poco strisciando
Si potrebbe trattare di bisogno d'amore

Meglio non dire

 
またあなた またふたり あの女が またそこに
ふたりの そのただなかに
はっとする気持ち
忍び寄るように湧いてくる
求めるものが愛であれ 
言わぬが花よね