雲の中の散歩のように

Cinema letteratura musica どこまで遠くにゆけるのだろう

音楽

韓国大統領選、東京喰種、そして Us and Them

近くて遠いとなりの国 韓国はどこへ行く? - 放送内容まるわかり! - NHK 週刊 ニュース深読み 今朝(5月13日)の「NHKニュース深読み」で、文在寅( ムン・ジェイン)という研究者の言葉にハッとさせられた。北と戦争が始まると、まっさきに戦場に駆…

パオロ・コンテの Chiamami adesso を訳してみた

FBで大好きなパオロ・コンテの歌詞の一節が流れてきた。知っている歌の一節だったから、すぐに頭のなかであのしわがれ声が響いた。それで、どういうわけか思ったんだ。あっ、これは今、この僕に向けられた言葉なのかもしれないってね。そのイタリア語がこれ…

D. Gilmour の In Any Tongue を訳してみた

デヴィッド・ギルモアは、疑いもなく、ぼくらの時代の偉大なソングライターのひとりだ。もちろん偉大なギタリストでもあるけれど、言葉をメロディーに乗せる才能に関しては、誰よりも抜きん出たセンスを持っているのではないだろうか。 もちろんギルモア自身…

祝、エンニオ・モリコーネ。初のオスカー獲得!

エンニオ・モリコーネがついにオスカー受賞した。 2007年にはすでに功労賞をもらっている。ふつうなら功労賞はキャリアの最後にもらうもの。ところがモリコーネは「これが出発点だよ」とコメントしていた。そして、今、おん年87歳にして、新作をもっての堂々…

Blackstar (D.Bowie) を訳してみた

www.youtube.com 前記事にも書いたけど、このところボウイの『ブラックスター』をずっと聴いている。 音楽的な部分では、かなりフリージャズのテイストが効いていて、ロックンロールというよりはエレクトロニカとジャズが融合したような音が実に印象的。実際…

"Wake up" (Arcade Fire) を訳してみた

新しい年になってデヴィッド・ボウイの訃報が飛び込んできた。ニューアルバム『ブラックスター』が出たことは知っていたけれど、それがこの稀有なポップスターによる遺言だったというのは、彼が亡くなってから明らかになったことだ。 そのタイトル曲「ブラッ…

King Crimson :"Peace - An End"

1968年に結成されて以来、キング・クリムゾンが過去を振り返ったことはない。ただひたすら前へ前へと進んで来たバンド、まさにプログレッシブであり続けたのが、クリムゾンなのだ。 ところが今回の「エレメンツ・ツアー 2015」は、まるで過去に立ち戻ろうと…

『自転車泥棒』と『黒いタンムッリャータ』

むっとするような暑さ。それでも、なんとか大学の授業はあとは採点を残すだけとなり、来週3日ほど集中講座をやって、暑気払いを2回ほど楽しめば、ようやく夏が来るというところ。 この暑さとともに、世の中のきな臭さも少し落ち着いてきているようでもある…

ありがとう、ピーノ。ありがとう、ナポリ。

Il Saluto di Napoli a Pino Daniele - Flash Mob a ... ピーノ・ダニエーレの訃報についてはすでに書いたけれど、その後、FBで彼に捧げられたすばらしいビデオに出会ったので、ここに紹介しておこうと思う。 その秀逸な冒頭のシーン。 ナポリの海岸で iPhon…

Pino Daniele を偲んで: "Napule è" 訳してみた

新しい年が始まってまだ5日目なのに、悲しい訃報が飛び込んできた。ピーノ・ダニエーレが亡くなったというのだ。 日本ではあまり知られていないかもしれない。けれど、彼はイタリアを代表する歌手だ。ナポリ生まれで、ナポリの方言で歌い、ナポリの音楽シー…

Vasco Rossi "Come vorrei" 訳してみた

月曜日から沈んだ気分なのだけど、そういうときに飛び込んでくる投稿には、きまってぼくを元気づけてくれるものがある。イタリアン・ロックの大御所ヴァスコ・ロッシの新曲 Come vorrei もそうだ。 今年の10月に発表されたばかりのアルバム『Sono innocent…

R.Stones, "Sympathy for the devil" 訳してみた

Sympathy For The Devil (Fatboy Slim Remix) 思うところあってストーンズの『Sympathy for the devil 』(1968)を訳してみた。 日本では『悪魔を憐れむ歌』として知られる曲だけど、それを今日たまたま YouTube でみかけて、おもわずミックの歌声に引き込…

99 posse 『コミュニストのツイスト』訳してみた

FBに投稿されていた 99 Posse の "Comuntwist" という曲のPVを見る。2000年のアルバム Vida Que Vendra からの曲だけど、その歌詞を聞きながら、なんだか今のぼくたちの姿が歌われているようで、思わず日本語に訳してみた。 とりあえず、これがPVね。 99 Pos…

Led Zeppelin "Rock and Roll" のドラムイントロ!

www.youtube.com ツェッペリンの名曲、今度スタジオで挑戦してみようということになった。一聴して簡単なロックンロールに思えるのだけど、これが実に難物。とてもデッドコピーは無理そうなんだけど、せめて雰囲気ぐらい再現してみたいじゃない。そこで、こ…

99 posse『撃て』 (1996)

Spara 99 Posse - YouTube 機会があって99ポッセの「Spara」を聴き直した… なんというアクチュアリティ! もちろん音楽も悪くないのだけれど、やはり圧倒的なのはその歌詞。 いかに世界が今、W杯の話題で麻痺しているかが痛感させられる。 クリミア情勢は…

レッド・ホット・チリ・ペッパーズの『デスソング』

Red Hot Chili Peppers - Brendan's Death Song ...今日はよく晴れた心地よい日和なのだけど、なぜか朝からレッド・ホット・チリ・ペッパーズのビデオクリップを見続けている。『ブレンダンのデスソング』と題されたこの曲は、文字通り「死者の歌」であ…

ピーター・ガブリエル『洪水がやって来る』

新学期がはじまりドタバタと2週間がすぎた。 やはり忙しさにかまけているとよくないな。なんだか少し喉が痛い。鼻水が出る。どうやら軽い風邪をひいたみたいだ。 そんなとき目についたのが、FBに投稿されていた懐かしい曲。ピーター・ガブリエルとロバート…

アイルランド式言祝ぎの歌

マックルモアー&ライアン・ルイスの『アイリッシュ・セレブレーション』は、フェイスブックで紹介してもらった曲ですが、なんだか魂を揺さぶるような力を感じました。思わず日本語してみれば、その内容はまさに「アイルランド式言祝ぎの歌」。 歌っているの…

追悼リトル・トニー

イタリア人にとってはキング・オブ・ロックンロール、おらが国のエルヴィス Elvis di noialtri 。ぼくの歳ぐらいのイタリア人で知らないヤツなんていない。 そんなリトル・トニーの訃報がはいった。 あれはたしか、初めて訪れたヴェネツィア映画祭でのこと。…

エンツォ・ヤンナッチ『王さまに会ったよ』

エンツォ・ヤンナッチの歌う『王に会ったよ Ho visto un re 』を日本語にしてみました。もともとは、ダリオ・フォーの舞台『おいらは考えて歌うぜ Ci ragiono e canto 』(1966年)のための曲だそうです。作詞はフォー、作曲はパオロ・チャルキ。 歌の内容に…

このところ毎朝、ぼくが「あまちゃん」を見ずにはいられないことについて

「おらのママに歴史あり」の最終回(土曜日)、結局アキのおじいちゃん(蟹江敬三)は、一度は引退を宣言したものの、再び遠洋に出る漁船に乗り込むことを決める。そのときのセリフがこれだ。 おらは思っていたほどジジイじゃなかった。じじいと一緒いたら、…

ブルフォードのドラムレッスン

ビル・ブルフォードは大好きなドラマーだ。そのドラミングは「ジャズにしてはロックの要素が強く、ロックにしてはジャズの要素が強い」と言われる。特徴的なのはスネア。硬くチューニングされた高音が、子気味よく変則的に打ち込まれてゆく。本人によれば、…

ウー・ドゥエあるいはU2のポップな反戦歌

イタリアの友人がやってるネルドブラザーズ Neldo brothers が、U2の「ニューイヤーズデイ」のカヴァーを YouTube にアップした。 http://www.youtube.com/watch?v=-l2P4a2s4OY イタリア語では〈ウー・ドゥエ〉と発音されるU2のこの曲は、1983年の『WAR …

祝いのとき

春なので春らしい曲をひとつ。 フェルザン・オズペテクの『明日のパスタはアルデンテ』のラストに流れる謡で、Kutlama という。歌うのはオズペテクお気に入りのセゼン・アクス。トルコポップス界の女帝と呼ばれる彼女の声は、葬儀と結婚式、生と死の重なり合…

Pensiero stupendo

新しくできたイタリアポップスの専門誌に映画のコラムを書きました。 フェルザン・オズペテクの『明日のパスタはアルデンテ』を取りあげ、そのなかで歌われるパティ・プラーヴォの Pensiero stupendo という曲が映画のなかのシーンと見事にシンクロしている…